ケルセンのクッキーを齧る管理人です。
皆様、今晩は。
800g入りの大缶を買ってしまったのですが、一日に2枚くらいしか食べないため完食までの道程は遠いです。(笑)
ケルセンの物は、チョコの掛かったガレが有名ですよね。(うまいんだアレは!)今回買ったのは、今まで見た事のない「ピスタチオ&チョコチップクッキー」ですが、食べてみた感じ味はやはりチョコ掛けガレの方がおいしいかも・・・。
さて、ゴラン馬鹿になってからずっと観たい観たいと思っていたクロアチア映画
「Duga Mracna Noc (Long Dark Night)」をようやく目にする機会に恵まれました。(感涙)
これは2004年の作品で、ゴランに取っては米長編TVドラマ「スパルタカス」と同じ年に郷里で撮影した映画にあたります。(「Duga Mracna Noc」の方が先でしょうか?)
話の舞台は1940年~45年のクロアチア。この時期は世界的にも非常に激動期でありますが、クロアチアも類に漏れません。
話冒頭のクロアチアは「第一のユーゴ」と呼ばれた
「ユーゴスラヴィア王国」(旧セルビア王国主導)の一部にあたります。
そして41年春にはナチス・ドイツの傀儡国家
「クロアチア独立国」として独立しますが、もちろん三国同盟側以外からは非承認のまま45年崩壊し、その後はチトー率いる共産党が作り上げた
「ユーゴスラヴィア連邦人民共和国」の一部としてまた連邦に組み込まれる事になります。
一応、ユーゴ全体でこの時期を概観すると、
(1)40年にヨーロッパ進撃を開始したナチスドイツ・イタリアの三国同盟に押される形で東欧諸国(ギリシャ除く)が三国同盟に加入する中、ユーゴスラヴィア王国も41年3月に三国同盟に加入
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(2)しかし、国内各地ではこの決定・加入に反対するデモが起きる
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(3)この動きを受けて、3月末に王国軍シモヴィッチ将軍(親西欧派)がクーデターを起こし国王を挿げ替えるが、三国同盟加入撤回を示さずにソ連と不可侵条約を結んだりと曖昧な政治姿勢を示す
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(4)この曖昧な姿勢に怒ったナチス・ドイツが4月6日にベオグラード侵攻開始。イタリア・ブルガリア・ハンガリーも軍を進める
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(5)ユーゴ王国内の離反を図るため、ナチスは王国内のクロアチア人勢力に対し独立国の設立を持ち掛け、これに乗ったクロアチア部分(今のクロアチアとは少しずれた部分)が傀儡国家「クロアチア独立国」としてユーゴ王国勢力と分離する。4月15日
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(6)クロアチア人将校・兵士が離反した結果、ユーゴ王国は三国同盟軍に対し4月16日降伏。シモヴィッチ将軍と国王はイギリスへ逃亡。ユーゴ王国は崩壊し、以後、クロアチア独立国を除いた王国領土はドイツ・イタリア・ブルガリア・ハンガリーに併合される。(大部分がドイツに併合)
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(7)この状況下、三国同盟側勢力に抗するため各地で共産主義パルチザン(ゲリラ)が立ち上がる。主な指導者は
チトー。一進一退の苦境の中、徐々に各都市を開放してゆく。
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(8)43年、連合国側(米・英)がチトーのパルチザン勢力を支持。イタリア降伏。45年に入り、3月に旧王国政府閣僚3人を含む民主連合ユーゴスラヴィア臨時政府として承認される。秋に総選挙を実施、旧王国勢力に圧勝したチトーら共産勢力により正式に「ユーゴスラヴィア連邦人民共和国」として発足。
・・・こうして見ると、クロアチアと言う部分がいかに「ユーゴスラヴィア構成員」として自分たちを溶け込ませようとしていなかったかがよくわかります。
どうやら、クロアチアは遡る事1000年前に自分たちが王国として独立していた栄光の歴史を忘れたくなかったようです。この傀儡国家設立の時もそうですが、91年の独立宣言やその後のセルビア勢力との争いの折も「自決権を持つ独立国家」としての立場をやはり強く望んでいます。
・・・さて、話を戻して
「Duga Mracna Noc」。(笑)
勿論日本では放映・販売されておりませんので、入手の段階で日本語手段に訴えるのは難しい幻の作品です。
観られて嬉しいのは嬉しいのですが、・・・・なんと
英字幕も無し!(笑)
全編通してクロアチア語オンリー
オンリーオンリー…勿論管理人はクロアチア語もセルビア語も解りませんので、
意地と根性でレッツ・鑑賞です。
・・・ゴランが出ていなければ絶対に挫折しそう・・・・3時間もあるんですよ、コレ。(笑)
台詞の内容もさっぱり解りませんから、映像自体とユーゴ近代史の知識でトップダウン解釈しながら見ざるを得ませんでした。(汗)
40~45年のクロアチアを生きる
クロアチア人青年・イヴァを演じるのがゴランです。
イヴァは「クロアチア独立国」と言う名こそあれ、ただのナチス傀儡国家の横暴に抵抗するため、パルチザンに身を投じます。
当時、クロアチアにはナチスの他に
「ウスタシャ」と言うクロアチア版ナチスのような極右組織が幅を利かせており、パルチザンは彼らの天敵です。
クロアチア独立国自体が実質ナチスの支配下なわけですから、このウスタシャもナチスの影響をかなり受け、他民族排斥に訴えていました。
ナチス同様に国内のユダヤ人を差別したりもしていたようですが、何せこの地域にはユダヤ人はあまり多くないので、自然とウスタシャの矛先はセルビア人に向きます。
しかしまぁ、その様子を流すのは今のクロアチアの政治上よろしくないでしょうから(注:当時、セルビア側にも他民族排斥組織チェトニクがあり、クロアチア人が多数殺されている。この問題はまだセルビア人との間で互いに尾を引いている)、ウスタシャの蛮行はほとんどナチスに挿げ替えてありました。(汗)
映画の中ではナチスが村人達(数少ないユダヤ人なのか?)を焼き殺す場面がありました。
当時、クロアチアに割拠していた勢力は
ウスタシャや
親玉・ナチスだけではなく、彼等に公然と反抗する
パルチザンもいます。また
クロアチア農民党と言う穏健的反ファシズム勢力もいますし、物語の冒頭であれば
ユーゴスラヴィア王国の軍や警察も存在していたはずです。(実際、冒頭で警察官のような男が3人ほど出てきていた)
参ったのは、
言葉が解らない以上に軍装にも詳しくないので、ぱっと初見の制服・軍服が出てきた時に
「・・・・・コレは何だ――っ!」と混乱してしまった事。(笑)
今出てきたこの軍服は、果たしてウスタシャなのか、それともパルチザンなのか!?(笑)一歩間違うとストーリーが
とんでもない方向に行ってしまいます。
流石にナチスの軍服だけはすぐ判りました。(笑)
更にじ~っと観ていると、ナチスと交流のあるような描写の人たちがいたので、ははぁ、コレがウスタシャだな・・・?などと一つづつ読み解いて行きました。
主人公イヴァの属するパルチザンは、国防色(カーキ)の軍服。帽子は三角スタイルです。
これも初見では判りませんでしたが、じ~っと見ると帽子の真ん中に「ハンマーと鎌十字」のあのマークが入っていたのでようやく判別できました。
ウスタシャは、どうやら暗い黄緑の軍服に丸い帽子のようです。(かなりパルチザンと似ている・・・余計に混乱)
・・・・ふうぅ、情けない(笑)殿方に多い軍事オタクなら、きっと一発で判別できるんだろうなぁ~などと羨ましく思ったり。
物語冒頭では、イヴァは親友と二人、クロアチアンな民族衣装で酒場で飲んだくれて歌っています。
うわ~っ、
ゴランが歌ってる!(鼻血)しかも酔っ払った演技!
母国語で歌ったり酔っ払ってしゃべる海外俳優ってカッコいいですよね。(笑)素顔を見たような感じで。
この直後、街にナチスがやってきて我が物顔でのさばりはじめます。
仲間割れしてブチのめされたナチスをイヴァが助けるシーンもありました。
街の郊外でナチスが市民に対し演説をし、仲間に加われと訴えます。イヴァの友人の一人でドイツ人(多分)の男が一瞬加わりかけますが、イヴァに止められ思い止まります。この後、イヴァはその場の市民たちにクロアチア民族の歌(多分)を大声で歌い掛け、唖然とするナチスを前に全員で合唱しながらむこうに行ってしまいました。
そして、冒頭で一緒に飲んだくれていた親友がパルチザンに入るとイヴァに告白します。
イヴァは止めますが、彼は行ってしまいました。(おそらく、イヴァはこの時点ではパルチザンはただの共産主義者団体としかみなしていなかったのかも・・・。)
やがて、ナチスの蛮行がエスカレートし始めます。(本当はウスタシャの方が酷いんですけれど・・・流石は独立して10年強の国の映画。笑)
近くの村のおばあちゃんから泣き落とし(多分、もうナチスなんか辞めたいとかそんなカンジ)でパルチザンとの接触情報を聞き出し、それをナチス本部に報告して村人を皆殺しにして功績を誇る将校もいました。
こんな中、ようやくイヴァも腰を上げてパルチザンに加入します。
本家パルチザン指導者のチトー自体が
毛沢東ばりの大長征をしていましたので、どこのパルチザンも寝床を転々とする日々が続きます。
そんな中、同じパルチザンの女性とイヴァは結ばれ、息子を授かります。
・・・・妊娠中の妻に
リンゴを剥いてあげるイヴァ…もといゴランに萌え萌え!(笑)
そして終戦を迎え、昇進したイヴァは故郷に錦を飾ります。
妻と子を伴い、帰郷したイヴァ。老いた父母も大喜び。
この時の軍服がパルチザン時代のものとちょっと違うんですが、ひょっとして新しく設立されたユーゴ人民共和国の正規将校にでもなったと言う事でしょうか?(謎)
この後、何かのかどで捕まった親友と再会します。(脱走か何かの軍律違反でもしたのか?)
本来、イヴァが彼を処刑できる立場にあるのを利用して遠くへ連れて行き、こっそり逃がします。
親友は右手首を失っていたので、例のドイツ人の友人(医者になっていた!)のもとへ連れて行くのですが、ドイツ人の友人は事情に気付いて断ります。結局、親友を昔遊んだ草原に置き、イヴァは去ります。
この後がちょっと判り難い。(汗)
イヴァもその上官も、揃ってスーツ姿になっています。軍から身を引いたと言う事でしょうか?
それにしては他に仕事をしている風でもなく、暮らしぶりも良いので、きっとデスクワークに回っているのかと推測。
この頃から、当局がイヴァを監視し始めます。家の電話が盗聴されていたりしていましたが、これは一体・・・・?
推測するに、イヴァがパルチザンに加わったのはドイツ下のクロアチア人を救いたかったからであって、コミュニズムに共鳴したわけではないと言うあたりと関係していそうです。
(演繹的に考えると、この映画を作っている今のクロアチアは共産主義ユーゴから独立した存在ですから、「真に共産主義のパルチザン」と言う立場には一線を画した態度のはずです。実際、当時のパルチザンにはコミュニスト的思想から加入した人間と、ドイツやウスタシャからの開放を求めた人間の二種類がいた模様。イヴァは後者として描かれているのではないでしょうか?だとすると、この後の展開の辻褄が合うのです。)
上司その1もやってきて、イヴァの家の電話が盗聴されているぞと教え、何か諭すのですがイヴァは聞く耳を持ちません。
遂には妻とも口論の日々になり、最後には当局に逮捕されてしまいます。(このちょっと前には父親が首吊り自殺をしている。原因が良く判らなかった・・・!)
手錠を掛けられ、拷問されるイヴァ・・・もといゴラン。ううっ・・・!
妻はイヴァを取り戻そうとします。そこに付け込んだのが元の上司その2。どうも肉体関係を迫っているようです。
イヴァと面会できた妻は、息子が病気で入院していると告げます。がっくりするイヴァ。手にはくっきりと拷問の跡が・・・。
イヴァが釈放される望みが薄いと知った(多分)妻は酒浸りになり、やがてピストルで自殺します。
妻も子も死んだと告げられ、埋葬するイヴァ。(この時だけは外に出してもらえたのか?)子供の棺桶をひょいっと担ぐ姿が男らしい・・・!(コラ)
やがて、上司その1とともに釈放されたイヴァは、母親の待つ家に帰り着きます。
母を胸に抱いたその向こうから・・・・なんと死んだはずの息子が!
どうやら、息子が死んだと言うのは嘘だったようです。(じゃあ、あの棺桶には何が入っていたの・・?)
←ツッコミ息子を抱いたイヴァ。
物語は、そこで幕を閉じます。
う~ん、なんと言う終わり方。まさにタイトルの通り「Long Dark Night」。
歴史的に見ても、この後チトーの死ぬ80年まではコミュニズムの力が強い時代が続きますから、釈放されたイヴァの苦難はクロアチア独立の日まで続く・・・と言う事でしょうか?
それにしても、言語がわからないと本気で物語の解釈は辛いです。いつか解る様になりたいものです、クロアチア語・・・!
そう言えば、物語の随所でチトーの肖像画や写真が掲げられていてびっくりしました。
遠目に見てもすぐチトーと判る、太宰治ばりに彫りの深いあの顔・・・!
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